- メール配信サービスを使っているけど、効果測定が難しい
- 適切な指標の選び方やデータの見方がわからない
メール配信サービスを導入しても、その効果を正しく測定できているか自信がありませんよね。
でも、効果測定なくしてメールマーケティングの改善はありえません。
そこで今回は、メール配信サービスの効果測定に必要な指標と分析方法をお伝えします。
- 効果測定に重要な4つの指標
- 各指標の定義と計算方法
- 効果測定に役立つ3つのツールと機能
- 効果を分析するための3つのステップ
- 事例から学ぶ改善のポイント
メール配信の効果測定に重要な4つの指標
メール配信サービスを活用する上で、その効果を適切に測定することは欠かせません。
効果測定に重要な指標は、以下の4つです。
- 配信数と到達率
- 開封率
- クリック率
- コンバージョン率
1. 配信数と到達率
配信数は、配信したメールの総数を示す指標です。
一方、到達率は、配信数のうち、実際に受信者に届いた割合を表します。
到達率を高めるためには、以下のような施策が有効。
- メールアドレスのクリーニング
- SPFとDKIMの設定
- 最適な配信時間の選択
配信数と到達率は、メール配信の基礎となる指標。
これらを適切に管理することが、効果的なメール配信の第一歩です。
2. 開封率
開封率は、配信数のうち、受信者が実際にメールを開封した割合を示します。
開封率を高めるためには、以下のような工夫が必要。
- 魅力的な件名の設定
- プレヘッダーテキストの最適化
- 最適な配信タイミングの選択
開封率は、受信者の興味関心を測る重要な指標。
開封率を改善することで、メールマーケティングの効果を高めることができます。
3. クリック率
クリック率は、開封数のうち、メール内のリンクがクリックされた割合を表します。
クリック率を高めるためには、以下のような施策が有効。
- 魅力的なコンテンツの提供
- 適切なコールトゥアクション(CTA)の設定
- リンク先のランディングページ最適化
クリック率は、受信者のエンゲージメントを測る重要な指標。
この指標を改善することで、より多くの受信者を目的の行動に導くことができます。
4. コンバージョン率
コンバージョン率は、クリック数のうち、目標とする行動(購入、会員登録など)を完了した割合を示します。
コンバージョン率を高めるためには、以下のような施策が必要。
- ターゲットに合わせたメッセージの最適化
- 効果的なランディングページの設計
- 適切なフォローアップメールの配信
コンバージョン率は、メール配信の最終的な目的達成度を測る指標。
この指標を向上させることが、メールマーケティングの成功につながります。
以上の4つの指標は、メール配信の効果測定に欠かせない重要な指標です。
それぞれの指標を適切に管理し、改善していくことが、メール配信の効果を最大化するカギとなります。
各指標の定義と計算方法
- 配信数
- 到達率
- 開封率
- クリック率
- コンバージョン率
配信数
配信数は、配信したメールの総数を示します。
この指標は、メール配信サービスの管理画面で確認することができます。
配信数 = 配信したメールの総数
到達率
到達率は、配信数のうち、実際に受信者に届いた割合を表します。
この指標は、以下の計算式で求められます。
到達率 = (配信数 – 不達数) ÷ 配信数 × 100
不達数は、メールアドレスの誤りやシステム上の問題などにより、受信者に届かなかったメールの数を指します。
開封率
開封率は、配信数のうち、受信者が開封した割合を示します。
この指標は、以下の計算式で求められます。
開封率 = 開封数 ÷ 配信数 × 100
メール配信サービスによっては、開封数の計測方法が異なる場合があるので注意が必要です。
クリック率
クリック率は、開封数のうち、メール内のリンクがクリックされた割合を表します。
この指標は、以下の計算式で求められます。
クリック率 = クリック数 ÷ 開封数 × 100
メール内に複数のリンクがある場合は、リンクごとのクリック率を測定することも重要です。
コンバージョン率
コンバージョン率は、クリック数のうち、目標とする行動を完了した割合を示します。
この指標は、以下の計算式で求められます。
コンバージョン率 = コンバージョン数 ÷ クリック数 × 100
目標とする行動は、購入、会員登録、資料請求など、メールマーケティングの目的に応じて設定します。
効果測定に役立つ3つのツールと機能
- メール配信サービスの統計機能
- GoogleアナリティクスとのUTMパラメータ連携
- A/Bテスト機能を活用した最適化
1. メール配信サービスの統計機能
多くのメール配信サービスには、配信結果を分析するための統計機能が備わっています。
代表的な機能としては、以下のようなものがあります。
- 配信数、開封数、クリック数などの基本指標の集計
- 配信エラーや解除数などの配信状況の把握
- 受信者の属性(デバイス、OS、地域など)ごとの分析
- 配信時間や曜日ごとの比較分析
これらの機能を活用することで、メール配信の効果を多角的に分析できます。
2. GoogleアナリティクスとのUTMパラメータ連携
メール経由での行動を分析するには、GoogleアナリティクスとUTMパラメータの連携が有効です。
UTMパラメータとは、URLに付加する特別なパラメータで、トラフィックの流入元や経路を識別するために使用されます。
メール内のリンクにUTMパラメータを設定することで、以下のような分析が可能になります。
- メール経由の流入数、ページビュー数、滞在時間などの把握
- メール経由の目標達成数(コンバージョン数)の測定
- メールと他の流入元(検索、SNSなど)との比較分析
GoogleアナリティクスとUTMパラメータを活用することで、メールマーケティングの効果を総合的に評価できます。
3. A/Bテスト機能を活用した最適化
A/Bテストは、2つのパターンを比較し、より効果の高い方を選ぶ手法です。
多くのメール配信サービスには、A/Bテスト機能が搭載されています。
メールのA/Bテストでは、以下のような要素を変更して比較します。
- 件名
- 送信者名
- 本文の内容
- 配信時間や曜日
A/Bテストを行うことで、より高い効果を生むメール配信の方法を見つけ出すことができます。
継続的なA/Bテストの実施が、メールマーケティングの最適化につながります。
メール配信の効果を分析するための3つのステップ
- 目標設定とKPIの定義
- 定期的なデータ収集と集計
- 結果の可視化と改善施策の立案
ステップ1: 目標設定とKPIの定義
メール配信の効果を測定するためには、まず明確な目標を設定する必要があります。
目標の例としては、以下のようなものがあります。
- 新規顧客の獲得
- 既存顧客の購入頻度向上
- カート放棄率の低減
- イベント参加者数の増加
目標を設定したら、その達成度を測るためのKPI(重要業績評価指標)を定義します。
KPIの例としては、以下のようなものがあります。
- 新規購入者数
- 1人当たりの平均購入額
- カート放棄率
- イベント申込率
目標とKPIを明確にすることで、メール配信の効果を的確に測定できるようになります。
ステップ2: 定期的なデータ収集と集計
目標とKPIを設定したら、定期的にデータを収集し、集計していきます。
具体的には、以下のような作業が必要です。
- メール配信サービスの統計機能から、配信数、開封数、クリック数などの基本指標を取得する
- GoogleアナリティクスのUTMパラメータを使って、メール経由の行動を追跡する
- 受注システムやCRMなどと連携して、コンバージョン数を測定する
これらのデータを月次や週次で集計し、時系列での推移を確認します。
データの集計は、できるだけ自動化することが望ましいでしょう。
ステップ3: 結果の可視化と改善施策の立案
集計したデータは、グラフや表などで可視化することが重要です。
可視化の例としては、以下のようなものがあります。
- 配信数、開封率、クリック率などの推移グラフ
- A/Bテストの結果比較表
- 目標達成率のダッシュボード
可視化した結果をもとに、改善のための施策を立案します。
改善施策の例としては、以下のようなものがあります。
- 開封率が低い場合は、件名を工夫する
- クリック率が低い場合は、本文の内容を改善する
- コンバージョン率が低い場合は、ランディングページを最適化する
立案した施策は、次の配信で実行し、その効果を検証します。
効果測定の事例と改善のポイント
実際の企業におけるメール配信の効果測定事例を見ていきましょう。
- 事例1: A社の件名最適化でクリック率が30%向上
- 事例2: B社のセグメント配信で売上が20%アップ
- 事例3: C社のA/Bテストで最適な配信時間を発見
事例1: A社の件名最適化でクリック率が30%向上
A社では、メールの開封率を上げるために、件名のA/Bテストを実施しました。
テストの結果、以下のような知見が得られました。
- 件名に数字を入れると開封率が上がる
- 件名の文字数は30文字程度が最適
- 件名に疑問形を使うと開封率が上がる
これらの知見をもとに件名を最適化したところ、開封率が20%向上し、クリック率も30%アップしました。
件名は、受信者に最初に目に留まる要素です。
件名の改善は、メール配信の効果を高めるための重要なポイントと言えます。
事例2: B社のセグメント配信で売上が20%アップ
B社では、購買履歴に基づいたセグメント配信を実施しました。
具体的には、以下のようなセグメントを作成し、配信内容を変更しました。
- 過去の購入金額が高い顧客には、プレミアム商品を訴求
- 最近購入のない顧客には、新商品の告知とクーポンを配信
- カート放棄した顧客には、リマインドメールを配信
セグメント配信を実施した結果、全体の売上が20%向上しました。
受信者の属性や行動に合わせて配信内容を最適化することで、大きな効果が得られることがわかります。
事例3: C社のA/Bテストで最適な配信時間を発見
C社では、配信時間を最適化するために、A/Bテストを実施しました。
テストの内容は、以下の通りです。
- パターンA: 平日の昼12時に配信
- パターンB: 平日の夜8時に配信
その結果、以下のことがわかりました。
- 夜8時の配信の方が、開封率が30%高い
- 昼12時の配信の方が、クリック率が10%高い
これらの結果から、C社では以下の施策を実行しました。
- 重要なお知らせは夜8時に配信し、開封率を重視する
- セールの告知は昼12時に配信し、クリック率を重視する
配信時間の最適化により、メール配信の効果が大きく改善しました。
受信者の生活リズムに合わせた配信時間の設定が、効果向上のカギとなります。
以上の事例から、メール配信の効果測定と改善のポイントをまとめると以下のようになります。
- 件名や本文などの要素を変更し、A/Bテストで最適化する
- 受信者のセグメントを作成し、配信内容を最適化する
- 配信時間を変更し、開封率やクリック率を改善する
これらの施策を継続的に実施することで、メールマーケティングの成果を最大化することができます。
まとめ
本記事では、メール配信サービスの効果測定に必要な指標と分析方法について解説しました。
ポイントをまとめると、以下の通りです。
- メール配信の効果測定に重要な指標は、配信数と到達率、開封率、クリック率、コンバージョン率の4つ
- 各指標の定義と計算方法を理解し、適切に測定することが重要
- 効果測定に役立つツールとして、メール配信サービスの統計機能、GoogleアナリティクスとのUTMパラメータ連携、A/Bテスト機能がある
- 効果測定と分析のステップは、目標設定とKPIの定義、定期的なデータ収集と集計、結果の可視化と改善施策の立案の3つ
- 件名の最適化、セグメント配信、配信時間の最適化などの施策で、メール配信の効果を改善できる
メール配信の効果測定は、マーケティング活動の重要な要素です。
適切な指標の設定と分析により、PDCAサイクルを回し、継続的な改善を図ることが求められます。
本記事で紹介した内容を参考に、自社のメール配信の効果測定と改善に取り組んでみてください。
データに基づいた意思決定により、メールマーケティングの成果を最大化することができるはずです。
効果的なメール配信を行い、ビジネスの成長につなげていきましょう。